2 箱守十八の訃報記事


夢をみた。
猫箱を飾る黄金の薔薇を、踏みにじる夢を…


さぁさ、思い出してご覧なさい。貴方の望みが何であったのか。


さぁ、思い出せ、右代宮戦人。お前が犯したその罪を






1999年11月29日月曜日の夕刊
本日午前8時頃、ミステリー作家にして翻訳家の箱守十八はこもりとおや(本名 右代宮戦人うしろみや ばとら、31)が、自室で背中を刺されて倒れているのを、出勤してきた使用人が発見。直ちに病院に運んだが、死後数時間が経過していると死亡が確認された。死亡推定時刻は、午前0時〜3時頃。


新進気鋭のミステリー作家、箱守十八が密室で背中を刺されて死亡!?


大学生小説家としてデビューして以来、12年。 毎月のように新作を発表してきた箱守十八氏。


当日の朝、××出版に送られてきた手紙には、
「さて、人の子よ。これが十八から送る最期のミステリー。
ホワイダニイットは、持病の悪化。フーダニイットは、右代宮戦人。
では、ハウダニイットは?」 とあったとのこと。


世界有数の右代宮グループの家に生まれながら、
ミステリーを愛し、作家となった彼の最期はあまりに早過ぎる!
もっと彼の作品が読みたかったのにぃ!
そう思うそこの貴方!


流石は、箱守十八!


「この謎を解いた人には、新作原稿をプレゼント。
出版社は解ける人が表れるまで、出版しちゃだめですよ。
なお、この原稿が出版された場合、
その印税は福音の家の運営費となりますのであしからず」だそうで!


十八先生の直筆生原稿ゲット!
その上、新作が出る!!
(噂によれば、付き合いのあった出版社各社それぞれ違う作品らしいから、
10作はある!?)


これは、解くしかありません!
さぁ、彼から贈られた最後の問題を解こうではありませんか!


合言葉は、
「愛がなければ、みえない」!