3 おにいちゃんという人


お兄ちゃんが亡くなった。
そう聞いた時、一瞬、意味がわからなかった。
だって、お兄ちゃんは、つい一昨日会ったばかりで、
もう19になる私の頭を優しい笑顔で撫でてくれたのに。


だけど、同時に、胸の奥で、ああやっぱりとも思った。


お兄ちゃんは、いつだって哀しい目をしていたから。