幾度目かのゲームの後、   がんだ。



「子供?」
「ああ。そなたと妾の子じゃ!」
愛しそうに腹を撫でて、ベアトは笑う。
心底幸せそうなその笑顔に、戦人もくすぐったそうに笑った。
「男と女どっちだろうな」
「女であろう。きっと妾に似た美人になるぞ」
「そうだなぁ…。性格はベアトに似ねぇことを祈るぜ」
むっとむくれて、ベアトが突っかかってくるのを笑ってなだめながら、子供がいるであろう、その下腹部へと手を寄せる。
途端、ズッと、手が“闇”に呑まれた。
ヒッと声を上げる間もなく、あたりが闇一色に染まる。
それは、以前ベアトがエヴァを倒した時の闇に、よく似ていた。
けれど、背中にベアトの温もりはない。
「ベアト…」
吐息のように漏れた声は誰にも届かない。
ゆっくりと閉じた瞼を開ければ、そこは見慣れた部屋。
あれは夢で、そして過去の記憶。
だって、彼女は自分で殺した。
子供は……………………………………………、こどもは?


どうして、しんだんだっけ…。



腕に抱くことも叶わない子どもと

    殺してしまったしい人。